チャレンジその3-2





オレは突き上げる衝動を必死になって何とか抑え込んだ。
焦って三橋の負担を大きくするのは嫌だったから。
前回悲惨だった分今日はうんと気持ち良くしてやりたい。
なので衝動を散らしながら、指をゆっくりと動かした。

「・・・・・・・・ふ・・・・・・・・」

三橋がまた僅かに身を震わせた。
しばらく念入りに中をほぐすように探り続けていたら
何だか大分柔らかくなってきたみたいな気がする。
これなら入る、かも。
三橋は目をぎゅうっと瞑りながら何やら一生懸命耐えている。 多分、快感に。
時々体が跳ねそうになる。
うっかりすると身を捩って上にいきそうになる、けど
オレが押さえているんでできない。
でも本人も逃げないように意識して努力しているような気も、する。
そんな様子を見ているとますます体が熱くなってそろそろ我慢も限界ぎりぎりに。
かなりほぐれてきたし、もう、大丈夫かな・・・・・・・・・

「ねえ」
「・・・・う・・・・・」

返事するのがすごくしんどそう。

「そんなに気持ちいいんだ・・・?」

わかりきったことを聞いてみた。
三橋がやっと、という感じで顔を横に振った。 嘘つけ。 先っぽからトロトロ出てんじゃん。

「もう挿れていい・・・・・・・?」

ダメと言われたらもう少しお預けと自分に言い聞かせながら聞いてみたら
意外にもはっきりと頷いた。 震えながら。
この震えは恐怖というよりは、  別の何か、じゃねぇかな・・・・・・・・
そんなことない、かな。

オレのほうはもう期待でイッパイなんだけど。 少しは不安もあるけど。
でもこの様子ならきっと大丈夫。

腰の下のクッションを取って、よいしょと腰を抱えてそこでまた念には念をいれようと思いついて
オレのにもローションを垂らした。 できればカケラも痛くしたくない。
それからあてがった。

「いれるぜ」
「・・・・ん・・・・・」

三橋の体が微かに震えた、のがわかった。
祈るような気持ちで そーっと押し込んでみたら。

ちょっときついけど意外なくらい簡単に入った。 こないだと全然違う。
やっぱり準備は大事だなとかどうでもいいことが頭の片隅をよぎったりして。 
いや全然どうでもよくねーけど。
すんなり入ったんでそのままゆっくりと半分くらいまで入れた。
三橋は一瞬固まってやっぱり何だか苦しそうな表情になった。

「痛い・・・・・・・・?」  
うっすら目を開けてオレを見た。
「・・・・よくわかんな・・・・・・・」

わかんない?? てことは痛くはないってことか??
微妙な表情なんでオレもよくわからない。  なのでしばらく動かないでじっとしていた。
大丈夫か? と聞こうとしたところで三橋がまた半分くらい目を開けた。

「阿部、くん」
「え?」
「・・・・・・ダイジョブ、だよ・・・・・」

聞く前に言われてしまってオレはまた じーんとして浸りそうになった。
いやもう浸るのは後でまとめてしよう。
大丈夫なら、じゃあ、

「も少し入れるぜ。」  

言いながらまたちょっと進んだ。    
そこでオレはいきなり焦った。 

ヤ  バ  い。 
すっっげぇ気持ちいい。 想像以上だ。 うっかりするともう出ちゃいそう。
そりゃ い く ら 何 で も かっこ悪すぎと思ってまた止まってじっとしていた。
深呼吸して数学の問題とか思い浮かべたりして。

(あ、収まってきた。 良かった・・・・・・・・・・・)

三橋の顔を見たら痛そうではない。 相変わらず微妙な顔してる。 大丈夫なんかな。
なので一気に奥まで突き入れた。
(あ、またヤバい・・・・・・・・・頑張れオレ・・・・・・・・・)

でもその瞬間三橋は唐突にオレ以上にヤバそうになった。

「あっっ!」

声とともに顔が仰のいた。 感じてんだろうか。
オレは慎重に (そうしないと出そう) 少ーしだけ。 動かしてみた。

「は・・・・・ん・・・・・・」

また喘いだ。 

気持ちイイ? ねぇ気持ちいいの? 痛くない?

とか思うけど聞けない。 そんな余裕ない。
信じられないくらい気持ち良くて (オレが) また慌てて公式を思い出したりするんでとっても忙しい。
数式を考えながら腰を動かす。 すげぇバカみたい。

あぁマジでヤバい。 こんなにイイなんて思わなかった。
でもオレだけじゃなく三橋に良くなってほしい。
掠れる理性でそう思い出して一回止まってまた深呼吸したら、少し余裕が戻ってきた。
今度はさっき見付けた辺りに当たるように意識して動いてみる。 したら。  三橋が。

「あっ・・・・・あ・・・・・・や、ぁ・・・・・」

また新しい涙を溢れさせながら激しく喘いだもんだから。
その顔もしっかり見ちゃったもんだから。

もう全然ダメになった。
一瞬にして余裕なんてきれいさっぱり跡形もなく飛んでった。 もうどうやっても無理。 抑えらんない。
かろうじて 「ごめん」 とだけ言ってから激しく突き上げちゃった。
こんなにしたらいくら何でも痛いんじゃねぇかとちらっと思ったけど
思っただけで体がまるで言うことをきかない。
気持ち良すぎてアタマがくらくらする。
でも三橋の声が。
必死で抑えているみたいなんだけど (こいつはまったくもう) 途切れ途切れにかすかに漏れる声が。
大丈夫これ間違いなく感じてる声だからと思って安心して、次に
あぁでもオレ先にイったらまずいような気が ということが頭を掠めて
やみくもに三橋のモノを掴んで強く扱いたら。

「ん、 ん ぁ・・・・・・・・・・」

程なくして三橋が声と同時にのけぞって達ったのがわかった。
途端に中がきゅうっとなって、次の瞬間にはオレも達してた。 もうあっというま。



余韻でくらくらする頭で (今日はできたな・・・・・・・・・・・) とかまた
どうでもいいようなことを刹那考えながら、まだ僅かに痙攣している三橋の体に
思い切り遠慮なく被さった。








快感の余韻が強くてちょっとの間ぼうっとしていた。  思考がちゃんと回らない。
けど、体中でよくわからない感情が渦巻いている。
ぼーっとしながらオレの下にある細い体を力任せに抱き締めた。
そうしようと思ったわけじゃなくて手が勝手にそうしていた。
感情が上手く処理できない。  言葉にもできない。
しばらくじっとそのままでいた。
抱き締めながら この感情って何だろう とぼんやり思った。
けど、わからなかった。
嬉しいとか幸せとか、そんなもんじゃないというか、そうなんだけどちょっと違うような。
でもとにかく。


今のこの心境は、この先何があっても絶対忘れないだろうな


とだけ思った。














                                         チャンレンジその3-2 了(3へ

                                             SS-B面TOPへ










                                                  忘れないでね。