チャレンジその2-1





オレはまた隙を見て部室で三橋に触り始めた。
こないだ思う存分触りまくったから多少は余裕ができたせいだ。
いや、逆かもしれない。 一回触れちゃって気持ちいいのがわかっちゃったから
我慢できなくなったっつーのもあるかも。
でももう部室で押し倒そうとすることはしない・・・・・・・・・・・と思う。 多分。 おそらく。
また次があるもん。  いや あるもんじゃなくて絶対機会作ってやる!!

でもそれまで完全お預けというのは少し、じゃなくてかなり厳しい。
なので、練習後にわざと用事を作って長く残っていたりする。
三橋に 「待っててくれよな」 と囁くと少し赤くなるけど、でもちゃんと待っててくれる。 
てか三橋は元々遅いからオレが用事作ってちょうどいいくらいかも。
用事を片付けながら他の連中がいなくなるのをじりじりと待つ。
しょっちゅうそれやってると変に思うヤツもいるかもしれないから、適当に日を置くけど。

2人きりになると鍵を閉める。 そうすると三橋が僅かに緊張するのがわかる。
でも嫌な感じの緊張じゃないのも伝わってくる。
この時間がオレはとても好きだ。
そわそわとドキドキとわくわくと少しばかりの後ろめたさとスリル (だって部室だしな)
を足して5で割ったような感じ。
そっと腕を引き寄せる瞬間の三橋の表情もとても好きだ。
未だに少しだけはにかんだような、でも間違いなく幸せそうな顔。

しんとした部室でキスをしながら服の下に手を忍ばせても、三橋も前ほど焦らなくなった。
あの日散々触りまくったから少しは慣れたんだと思う。
どころかうっとりと気持ち良さそうな顔になることもあってすげぇ嬉しい。
しつこく触っていると抵抗が始まるけど。
多分、また誰か来たら、って思っちゃうんだろうな。 (一応鍵を閉めてるとはいえ、窓もあるし。)
それがわかるからオレも触るのは程々に留める。
ヤバいところにも触らない。 絶対嫌がるだろうし。
いつかみたくうっかり歯止めが効かなくなってもまずいしな。 でも。

そろそろと背中とかわき腹とかの感触を楽しみながら必ず囁くことがひとつあったりして。

「次は最後までしていい?」

オレがそう聞くと三橋は真っ赤になる。  返事も 「う」 とか 「え」 とか要領を得ない。
でもオレも聞くだけで敢えて返事を急かしたりしない。
その代わりじーっと表情を観察する。

最初に聞いた時は 「ダメ」 という顔になった。
次に聞いた時は 「困った」 という顔になった。
最近はその 「困った」 も、度合が減ってきたような気がする。
はっきり 「いいよ」 とは言わないけど、 「イヤ」 という雰囲気も随分薄くなってきたような。
希望的推測かな。 でもホントにそんな感じがすんだけどな。 ダメかな。
まぁダメでも。
定期的に言っとかないと三橋は考えてくれないような気がするんで
ダメもとでいいからアピールしとく。

一回目の時は最後までしなくてもすごく幸せだったし楽しかったけど。
でもやっぱりしたい。 ものすごーーーーーくしたい。
ちゃんと全部自分のもんにしたい。
そのためには本人にもその気になってもらわねぇと。
そんで次はできればきっちりと最後まで。


なんてオレはまた悶々と考えながらも
そうそうチャンスもあるわけないし、できるのはまだ当分先かなと長期戦の構えだったんだけど。


次の機会は思ったより早くやってきた。








○○○○○○○

その日は予定外に練習が早く終わったんでオレはチャンスとばかり
三橋の家に遊びに来た。 オレ1人だけで。
ホント言うと他の連中が付いてこないようにちょっとは裏工作みたいなこともしたけど。
裏工作っつっても花井と田島はやれやれって顔してたから、あいつらにはばればれだな。
でもそんなことに構っちゃいられない。
まとまった時間2人きりになれる機会なんてありそうで滅多にないんだから
ちったー気ぃ利かせろってんだ。

でもその時点ではオレも最後までとかそんな気は全然なかった。
だってやっぱりおふくろさんいるからダメだろ。  いないにしてもすぐ帰ってくるだろうし。
ちょっとだけ、キスしてちょっとたくさん触れれば、くらいの期待はもちろんあったけど。

したら。
三橋の家に入ったところで三橋の携帯が鳴った。

「うん・・・・・うん・・・・わかった・・・・・」

会話が短かったし、緊張した様子がなかったから多分母親だなって予想がついた。

「何て?」

聞いたら三橋はなぜか赤くなった。

「今日・・・・・・少し、遅くなるって・・・・・・・・」

オレは内心喜んだ。 時間ができたってこともだけど。
赤くなった、てことは三橋もオレと同じことを考えた、ってことだ。
時間を聞いたら、あと1時間か1時間半くらいってことらしい。
微妙な時間だ。 でも。 最後までは無理でもいっぱい触れる。
三橋さえ嫌がらなければ抜くまでできる。

そう思ったオレは 「ふ−ん」 と気のないような返事をしておいて
部屋に入るなり抱き寄せてしまった。
三橋は一瞬目を見開いたけど抵抗しなかった。
ばかりかオレの背中に手を回してきた。 だもんで。
口付けは最初から深くなった。
ここんとこあまり機会が作れなくて我慢してたっていうのもあるし、
珍しく三橋が積極的な感じだったから。
キスも慣れないうちはされるがままって感じだったけど、
最近ではちゃんと応えてくれるようになって、オレとしてはすげぇ嬉しい。

気持ち良くて何も考えずに没頭してたら。

「・・・・ん、ぅ・・・・・・」

あぁだからその声。 オレ本当にこいつのこの声に弱い。
声を聞いたとたんにあっというまに体に火がついて
手が勝手に服の中に入っていく。 (いやオレの手だけど。) もっと聞きたい。

滑らかな肌を堪能しながら頭の片隅を一瞬 「ヤバいかな」 という思考がよぎった。
けどもちろん止まれない。
一回唇を離して三橋の上着を脱がせた。
前は開いていたから簡単だった。 三橋が 「あ」 と思った時はもう脱げていた、てくらい。 多分。
これは結構露骨な意思表示だから、困った顔すっかなと思ったけど
赤くなっただけで逃げるような様子はない。
なので三橋の目をじーっと見ながら自分の上着も乱暴に脱ぎ捨てた。 ますます露骨だ。
三橋の頬の赤みもますます濃くなった。
きっとオレ今すげーヤらしい目してんだろうな。
いいやもうどうせ下心はバレてるんだし。

細い体を片手で抱き込んで舌で耳を愛撫しながら
もう片方の手を服の下に入れて胸の先端を探り当てた。
途端に三橋が大きく跳ねて腕の中で身を捩るのがわかったけど
そういうことされると却って止まれなくなんだけど。

(多分わかってないんだろうなぁ・・・・・・・・・)

思いながらみるみる固くなる小さな粒をきつく摘んでやった。

「はっ・・・・・・あ・・・・」

三橋が喘いだ。


残っていた理性がそれで半分方飛んでいった。
でも

「1時間から1時間半くらい」 (てことはリスクを考えると1時間弱ってことだ)

ということだけはなけなしの理性でもってゲンミツに自分に言い聞かせた。














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