チャレンジその1-8





オレたちはしばらく2人して黙ーって荒く息をついてた。
落ち着いてきたところで オレが乗っかってっと重いかなと思って少し身を起こして三橋を見たら、
閉じられていた目がうっすらと開いた。 まだ大分潤んでいてどこか放心したような目。
でもじっと見てたら すぅっと焦点が合って、オレと目が合った。  と思ったら一瞬泳いだ。
 
(今なに考えてんだろ・・・・・・・・・・・)

もしかして怒ってたらどうしようと、

少しだけ不安になりながらさらにじーっと見てたら視線がオレに戻ってきた。
それからほんの僅か、笑った。  ホっとした。
(この顔は多分照れてんだな・・・・・・・・・・・)
思った途端にオレも急に照れてしまって、ごまかすために軽くキスしてみた。 もう一回。
それからぎゅうっと抱き締める。
やっぱり気持ちがいい。
出しちゃったやつがべたべたして気持ち悪いはずなんだけど何だかあんまり気にならない。
(でも拭かなきゃ) とぼんやり思ってたら小さな声がした。

「ごめん・・・・・ね・・・・・・」

は? 何でごめん? 何で謝んの?

「何が?」
「・・・オレ・・・知らなくて・・・・・・ちゃんとできなくて・・・・・・・」
「あー・・・・・・・いいよ別に。」
「でも・・・・・・・」
「ホントにいいって。」

当分オカズには困らないし。 って思ったけど
それを言うときっと死ぬほど恥ずかしがるだろうってのは容易に想像がついたので
黙っていた。
そういう顔をさせたい気もすんだけど。
今日はやめとく。 ただでさえ相当恥ずかしい思いさせたんだし。

それに。
どっちにしてもオレ今日はちゃんとできなかった、かも。
だって挿れるとなると準備とかいろいろ時間かかりそうだし。
多分もたなかった。 ナサケナイけど。
こいつがあんな顔したりあんな声出すなんて思ってなかった。
ちょっと慣れないと当分無理かも。   てか次はいつできるかな。

今日も一回くらいやってもいいけど。 いいけどじゃなくてすごーーーーーくやりたいけど。
こいつはイヤかもな。
精神的な負担大きそうだもん。
男が足開くのってきっと、じゃなくて絶対すげー恥ずかしいだろうし。 しかも初めてだしな。
それでなくても知らなかったんだし。 ま、しょーがねぇよな。

あれこれ考えながらとりあえず起き上がって
ティッシュを取ってまずは、まだ何だかボーっとしている三橋の体(の腹のあたり)を拭いてやった。
それから自分のも。
そこでふと思いついて三橋のモノ、も拭いてやる。

「ひゃあっっ」

声と同時に がばっ!!て感じで三橋が飛び起きた。 元気じゃん。
思ったとおりの反応に思わず顔がにやにやしちまう。  オレ、意地悪だな。

「ああああべくん・・・・・・・!! じ・・・自分でやる・・・・・・・」

焦った声で言いながら必死になってオレの手をどかそうとしたけど
その手を片手で掴んで封じてワザとゆっくり拭いてやった。
ついでにやわやわと揉んでみたりして。

「・・・・・・ふ・・・・・・・」

三橋は少し顔をのけぞらせて切なげな声を漏らした。 すっげー楽しい。
何だか頑張ればまたその気にさせるの簡単そうだ。
オレのほうはもうイヤってくらい簡単になれるんだけど。  
でもまあ。
今日はもうやめとこ。

オレは意地悪すんのやめて、でも離す前に手の中の柔らかいものの先端に
名残惜しい気持ちでチュっと音を立ててキスを落とした。
舐めてやりたい衝動にかられたけど、何とかこらえた。
オレ相当こいつにイカれてんな、 と改めて思った。

三橋は息を呑んでびっくりしている。
そんで赤い顔して(多分) また涙目になっているのを見ることで
今日のところは満足することにする。  というか。

実際満足。



でも、こいつは何で感じると逃げるんだろう。  逆じゃねーの?
今後のために聞いておく。

「なぁ、何で逃げんの?」
「へ?」

三橋は何を言われたのかよくわかってないようだった。

「おまえさ、感じると逃げようとしてなかった?」

ずばっと聞いたら暗がりでもはっきりわかるくらい見事に赤く染まった。
一応自覚はあるんだ。

「だ・・・・・って」
「うん」
「・・・・・・・・・・・。」
「声出そうだから?」
「・・・・う・・・・・」
「・・・・・・・・・。」
「そ・・・れも・・・・・・ある・・・・・・・」
「他にもあんの?」

聞いたらすごく困った顔になった。

「・・・・・じ、自分でも、よく、わかんない・・・・・・・」
あ、そう・・・・・・・・・・・・」

きっと本当にわからないんだろうな、 と思ったのでそれ以上追求するのはやめた。
慣れてないってことだし。 (オレもだけど)
そのうち慣れればきっと大丈夫になる、だろう、うん。
まだまだこれからだよな。
2人してちょっとずつ慣れていけばいいよな。 焦らずにさ。


「寝よ?」

言ったら三橋は頷いて、でもそろそろと動き回っている。

(・・・・・・・・??  何してんだよ)

見てたらさっきまで着てた下着やらジャージやら探し当ててごそごそと着始めた。
えー、着ちゃうの?   とか思ったけどオレもすっぽんぽんというのは
何か落ち着かないんで下着を穿いた。  続けて何となくズボンも穿く。
三橋はと見ると全部きっちり着ようとしてるんで、上だけ取り上げた。
だってそりゃねぇよな。

「あっ」
「上はいいじゃん」
「・・・・・・・・・・・・。」

三橋が 「え〜・・・・・・・」 てな顔してるのがわかったけど
強引に手を引っ張って布団にもぐりこんだ。
横向きに寝てぎゅーっと抱き締める。  ほらな。 気持ちいいだろ?
ほんわかしてたら三橋がそっと背中に手を回してくれたのがわかって
もっと幸せな気分になった。
「おやすみ」 と言うと  「おやすみ」 と小さな声が返ってくる。
それだけの事がいちいち嬉しい。

(あー・・・・・・ホントに。    オレこいつのことすごい好きなんだなぁ・・・・・・・)

何だかしみじみと思っちゃった。
けどオレがしみじみしている間に三橋は早くも寝息を立て始めた。

(早・・・・・・・・・・)

ちょっと寂しい。  
でもその幸せそうな寝顔を見て、オレもすっかり満足した気分で

(今度はいつできるかな・・・・・・・・・・・)

と思いながら目を閉じた。
















                                             チャレンジその1-8 了
                                                 (オマケ
翌朝

                                              SS-B面TOPへ







                                                     2人ともお疲れさま。