チャレンジその1-6





とりあえずまずは、衝動的にしたくなった事を実行した。
思い切り強く抱きしめる。

(・・・・気持ちいい・・・・・・・・・)

お互い上半身は何も身に付けてないから素肌どうしなわけで。
これがもう信じられないくらい気持ちいい。 あったかいし。
これだけでも今日のために頑張った甲斐があったなと思えるくらい。

ぎゅうううう
と、腕に力を込めたら三橋がそろそろとオレの背中に手を回して抱き返してくれた。
なんつーか。
(・・・・・・・・・嬉しい・・・・・・・・・・)

まだ大分緊張してるだろうに。  オレだけじゃない?
おまえも少しはオレのこと、欲しい、って思ってくれてる?

腕を緩めて顔を見たら目が合った。
三橋は目を逸らさない。  さっきまでの怯えた色も随分減ってる。
ホっとして、それからじわじわとあったかいモンが湧いてきた。
何だかな、何て言っていいかよくわかんないけど。  こういうのって愛しいって気持ちなんだろうな。
言葉にできない分また強く抱き締めてみる。

したら 「あ」 という小さな声とともに腕の中の体が びくっと身じろいだ。
(・・・・・???)
オレまだ何にもしてないぞ。 抱き締めてるだけ。
と思ってから、あ・そうか とわかった。
オレの、が三橋の腰の辺りに当たっちゃってんだ。 バレバレ。
(・・・・・・・だってしょうがねぇじゃん!!!)
三橋がまた赤面して困ってる。
色はよくわかんないけどこの顔は絶対そうだ。
こいつはまだ同じ状態にはなってないんだろうな。  さっきまであんなに怯えてたから仕方ねぇけど。
いいもんこれからオレが気持ち良くさせてやるからな!! 

そう思ったオレは張り切って三橋の体を探り始めた。

とは言え何しろオレも初心者だしどこが感じるのかなんてよくわかってないから、
上から順番にいろいろやってみることにする。  (我ながら芸がねーな)
感じる場所なんて結構個人差がありそうだから学習しねーと。
男なら絶対誰でも間違いなく感じるトコロは後にとっとくことにして。

耳、 はさっき確認済みだからと確信的に嘗め回してみた。
たちまち三橋の息が妙な具合になって、よしよしと満足しながらしつこく構った。
(いいな、ここ、便利だな・・・・・・・)
今度は中にも舌を差し入れてみる。 (さっきは阻止されたしな!)
途端にまたさっきみたく顔が逃げて行きそうになったんで慌てて押さえた。
何で逃げんだよ!!
恥ずかしいのかな? とも思うけど、三橋はでも、そんな生易しいもんじゃなくて真剣に逃げてる気がする。 
だってオレ相当腕に力入れてる。
感じてるクセに (だって息がますます)  このやろう。
油断して緩めると本当に逃げられそうなんで、
ムキになって押さえ付けてたら何だかエッチっていうより無言のタタカイって様相になってきた、ような。
エッチってこんなに筋力いんのか?
体力は要っても筋力はそんなに要らないんじゃねーの普通?
マジで嫌なんだろうか。  でも絶対明らかに感じてんのに。

オレはちょっと不安になって耳を離した。
「はー・・・・・・・」  というタメ息が聞こえた。  ホっとしたような感じの。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
いいやもう。 次いこう。


いちいち悩んでたら先に進めないので悩むのは後でまとめてすることにして。
気を取り直して首に移動してみる。
首ってどうなんだろそんなに感じるとも思えねぇんだけどでもこないだ変な声出してたな
とか考えながら、ちょっと強く吸ったら三橋の体がかすかに震えた、のがわかった。
見たら簡単に痕が付いちゃった。
(あーこれまずいかも)
着替えのとき他のヤツに見られちゃうとヤダな。
というかオレはともかく三橋はヤだろうな。   痕付けるなら目立たないとこにしねぇとな。

今度は最初震えたきり三橋もあまり逃げなかったんで
舌で首筋を探りながら、手がヒマだなと気が付いた。
そうか押さえ付けなくていいからだ。 
(・・・・・てか本来それが普通だよな・・・・・・)
そんじゃ有効活用しようと思って手は体のほうを忙しなくあちこち動かしてみたら
指に何か引っかかった。  と思った途端に三橋の体がぴくんと跳ねた。 
(え?)
あ、胸か、  と気付いた。
(ここ男でも感じるのかな・・・・・・・・・・)

オレはまたちょっと下に体をずらして胸の先端を舐めてみた。
したらまた三橋がいきなり上に逃げようとしたんで (だから逃げんなって!) 
またもや押さえ付けてきゅうっと吸ってみる。

「あ!・・・・・
・・・・・・」

それまで一言も発しなかった三橋が唐突に声を出した。 それもすげー悩ましげな。
これっていわゆる。
(・・・・・・・喘ぎ声ってやつじゃ・・・・・・・・・)
しまった。 一気にキた。 もっと聞きたいこれ。

そう思ってもっと強く吸いながらもう片方を指で摘んでみたら、息を呑む気配がした。
ちらっと顔を見たら目をぎゅっと閉じて片手で口を塞いじゃってる。

塞いだら聞こえねぇじゃん。 つまんない。

オレはその手を掴んで無理矢理どかした。
三橋が薄目を開けてオレを見た。 涙目になってる。
あ、その目・・・・・・・・)
ヤバいんだけど。 カワイイんですけど。
でも 「三橋かわいい・・・・・」 なんてことは思っても言えるわけないんで
(そんなハズカシイセリフ言えっか!!) 代わりに行動で示すことにする。
また戻って舌と指でせっせと胸の先っぽを弄ってたら小さくて柔らかいそこがぷっくりと固くなってきた。
(ふぅん。 こんなとこも起つ、んだな・・・・・・・男でも。)
軽く噛んでみたら 「う・・・・・・」 とくぐもった声が漏れた。
(??  なんかさっきと少し違う・・・・・・・・・)
見たらまた自分で塞いでる。  しかも今度は両手でみるからにがっちりと。 
だーかーらーダメだって!

「三橋」

三橋がまた目だけ開けてオレを見た。

「口押さえちゃダメ。」

潤んだ目がイヤイヤと言っているけど無視してまた無理矢理外した。

「声聞かせてよ。」
「・・・・・・・・・・。」
「ヤだ?」
「・・・・だって・・・・・・・・」

やっとしゃべった。 でもそれきりまた何も言わない。  なので代わりに言ってやる。

「恥ずかしい?」
「・・・・・・うん。」
「でもオレ聞きたい」
「・・・・・・・・・。」

三橋は黙って困ったような顔をしている。
困っている、というより、やっぱり恥ずかしそう。
そんな顔されるとオレますます煽られちゃうんだけどな。 
わかってんのかな。  わかってないんだろうな。
でもオレが掴んでいた手を離しても口に戻さなかったんで 
聞いてくれんのかなと思ってまた続きに戻ることにする。

他にもまだ感じるとこあるのかな。 きっとあるよな。 
(探してみよ・・・・・・・・・・) 


いろいろあちこち触りまくってみて体がびくっと揺れたところを重点的にいじくってみたり。
いじりながらまた顔を見てみる。 そうしたら。
今度は口は押さえてない、けど。
・・・・・・・・両腕で顔を隠しちゃってるし・・・・・・・・・・

またどかせる。  (こればっかだぜ)
三橋が恨めしげな目でオレを見上げた。 だからその目ヤバいんだって。

「顔隠すなよ」
「・・・・・・・・・・・。」  
目が泳いでる。 きっとイヤなんだな。
「オレ見たい。」
「・・・・・・・・う・・・・・・」

「う」 の次に 「ん」 が来ない。
承諾してくれたのかダメなのかよくわからない。  てことはまた隠すかも。
どうせ見れないなら、と えいっとばかりに体を横向きにさせた。
いいよもう今度は背中で探すから。
三橋はされるがまま大人しくしている。  きっと顔が見えないからホっとしてんだ くそ。

でも背中のほうがあちこちで体が揺れた。   いっぱいあるじゃん!! 

なんだけど。
そういうとこに限って体が微妙ーに逃げていく、ような。
(気のせい・・・・・? じゃねぇよな・・・・・・・・・)
なんかこう、じわっと逃げ腰に。
そのたびにこっちもつかまえなきゃならなくて、必然的に手が塞がる。
そんなすごい力が要るってほどじゃないけど。

(・・・・・・・・・・・・・・わかったぞ・・・・・・・・)

確信じゃないけど。  推測だけど。
こいつは感じると逃げようとする。  何でか理由はわかんねぇけど。
だから逃げられてもめげてちゃダメなんだ、 きっと。
てことは耳はそれだけ強く感じてるってことだよな、うん。 インプットしとこう。

それはともかくとして。
ここかな? というトコロをせっせと舌で愛撫しても
体は明らかに跳ねたり(逃げようとしたり)して反応してんのに
さっきみたいな声が聞こえない。 今は手で塞いでないはずなのに。 聞きたいのに。

オレ、ヘタ??  あんまり気持ち良くない??  どうすれば声出してくれんの?

内心少し焦りながら改めて三橋の顔をまた覗き込んでみたら、
相変わらずぎゅっと目を瞑ってて。 それはまぁいんだけど。
いつのまにか今度は唇をしっかり噛み締めていた。

(あ、こ、このやろうケチ!!!!!)

聞こえないハズだ。 親のカタキみたいな勢いで噛み締めやがって。 (くすぐったろか・・・・・・)
そんなに恥ずかしいんかな。
まぁわからないでもないけどさ。 
男が喘ぎ声あげるのって何かな、てのはあるだろう。 
その気持ちはよくわかる、けどオレは聞きたい。
じゃあどうすればいいか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・。
よーし、我慢してても声出さずにはおれないようにしてやる!!! 



妙な闘志を燃やしてしまった。














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