オマケ





1人分だけ小さなボールに取り分けて生クリームを多めに入れていると
田島が目聡く気付いてじっと見た。
そして当然のように言い当てた。

「それ阿部の?」
「え」

ぱーっと赤くなりながら三橋は頷いた。

「特別仕様にすんだ?」
「う、ん。 一番、お世話に なってるし」
「相棒だしな!」
「そ、そう!!」

阿部くんは特別だから、と三橋は思った。

「言わば本命ってやつだな」
「えっ?!」

三橋は抱えていたボールを危うく落としそうになった。

「や、ちがっ そそそんな 意味じゃ」
「わかってるってー」

田島は笑った。 冗談だったらしい。
過剰反応してしまったことが恥ずかしかったけど
田島は気にも留めてないようで、ホッとした。
そう、そんな意味じゃない。
特別な人だけど、あくまでも日頃のお礼の意味だけであって。

(・・・・・・だよね・・・・・)

確認するように言い聞かせた。
正体のよくわからない何かがよぎったような気がしたけど
それについては深く考えることなく、
三橋は慎重に次の作業に移ったのである。





                              オマケ 了(オマケ2へ)

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