オマケ1






ラッキー だった!

とオレはにこにこしてしまった。
今年も渡したくて、でも去年のような口実も思いつかないまま日が過ぎて、
結局無難な小さいのを買ったはいいけど渡せるとは思ってなかった。
諦めていた。

でも渡せた。

しかも貰えた。

落としたのはわざとじゃなかったけど、阿部くんが踏んでくれて良かった。
たまたま後ろにいてくれて本当にラッキーだった。

うへへへ、 とまた思わず笑ってしまったら

「楽しそうだな、三橋」
「はっ」

先生がにっこりと笑って目の前に立っていた。

「意中の子からチョコが貰えたのかなあ?」
「えっ あの」

顔が熱くなってしまってどうしようとうろたえていると。

「じゃあ張り切って問題を解いてみようか!」

にこにこと先生に示された黒板の問題を見て、オレは青くなった。
でも黒板の前で唸りながらも、ポケットの辺りがほこほこする。
阿部くんのチョコが助けてくれないかなあ なんて思ったら
またうっかり笑ってしまって、そのくせ問題は解けなくて
先生に呆れた顔をされた。

けどオレはその後も油断すると顔が崩れそうになって
抑えるのが大変だった。 時々ポケットに手を入れて確認しては
ほんわかとあったかい気分になって、しかもそれだけじゃなかった。

「三橋ー、なんか今日嬉しそうだな!」

次の休み時間に田島くんに言われた時にも 「うへ」 と笑っちゃう。
理由は言えないけど。

「誰かに豪華なチョコでももらえたん?」
「え、まあ・・・・」

ごにょごにょとごまかしたところで。

「そういや阿部のやつ、今日断ってたなー」
「えっ」
「や、午前中だけどさ」
「・・・・・・・・。」
「義理チョコっぽかったけど断ってんの見ちった」
「・・・・・・へ、え」

オレはもっと舞い上がった。
阿部くんはチョコもらわないんだ。
でもオレのはあげられた。 踏まれて本当に良かった!

「・・・・・良かったな、三橋」

そう言ったのは泉くんだ。 ちょっとドキっとした。
何が良かったか、深い意味はないんだろうけど。
とこっそり少し焦っていたら。

「今日なんかいいことあったんだろ?」
「え、 うん!」

ホッとして頷いた。
でもそんなに誰にでもわかるほど顔に出ちゃってるんだ。
マズいかなと頑張って普通の顔をしようとした、んだけど、
どうしても抑えられない。 
変に思われるかもなあとか頭では思うんだけど、もうどうでもいいやってくらい

オレはすごく、幸せだった。









                                      オマケ1 了

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                                               今年も似た者どうしだった。 (もう1つオマケ