知りたくないこと






ある日の部活中の休憩時間に花井と田島は並んで座って水分を補給しながら
ぼーっとバッテリーの2人を眺めていた。

「なんか今日さ」
「・・・・・・・うん」
「阿部がいつも以上にかいがいしいような気がしね?」
「・・・・・・だな・・・・」
「あ、飲ませてやってる」
「・・・・でも三橋は嫌がっているようだぜ・・・・・・・・」
「てか、恥ずかしがってる」
「・・・・うん」
「着替えも手伝ってやってたなそういえば」
「・・・・オレも見たよ・・・・・」
「それに今日さ、休み時間ごとに来てたぜ阿部」
「え・・・・・・9組に?」
「そ」
「どうりで忙しなく消えると思ったら・・・・・・・・・・」
「そんで来るたびに三橋に何か聞いてたぜ」
「・・・・・ふぅん・・・・・」
「何て言ってたかってーと」
「田島」
「なに?」
「・・・・・・・それ言わなくていいから。」
「? 何で?」
「・・・・何となく・・・・・・・・・」
「別に変なことは言ってなかったけど?」
「・・・・・・・・・。」
「『大丈夫か?』 とか」
「・・・・・・ふーん・・・・・・・・」
「『だるくないか?』 とか」
「・・・・・・・もういいよ・・・・・・・・・」
「『痛くないか?』 とか」
「・・・・聞きたくなかった・・・・・・・・・」
「え〜? 何で?」
「てか、おまえもよく聞いてるよな」
「だって何度も同じこと言ってんだもん。 聞こえるって。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・そういえば阿部って昨日、三橋といっしょに帰ってったよな?」
「・・・・・そうだな・・・・・・」
「・・・・・・・・あ・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・。」
「わかった!!」
「わからなくていいよ・・・・・・・」
「オレわかったよ花井!!」
「言うなよ田島。」
「つまり!!」
「言うなってば!!!!」
「あの2人
ついにデキ、  ぐぐぐ」
「言うなっつってんのにおまえはよ〜〜っっ」
「痛い痛い痛いってば花井!!!」



「よぅ! いっつも仲いいなおまえら!」

((・・・・・・・おまえに言われたくないよ阿部・・・・・・・・・))












                                           了(NEXT

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                                              チャレンジその3の翌日の風景。