手段







「絶対イヤ?」
「・・・・・絶対イヤ」
「どうしても?」
「どうし、 ても」

三橋は気が弱いくせに。  実は結構頑固だと、こういう時に思う。

ベッドの中で。

絶対にさせてくれないことが、幾つか、 ある。
でもオレもベッドでは我ながら結構意地悪だと思う。
と充分自覚しながらも、 言ってみた。

「・・・・首振る投手はオレ、嫌いなんだよなぁ」

たちまち涙目になる。  おろおろと視線が彷徨う。

オレは舌なめずりしたいような気分。

ごめんな、三橋。
でもいいじゃん。 大分慣れてきたんだしさ。
これくらいさせてくれたって。   めいっぱい感じさせてやるからさ。


「オ、オレは」

声が震えている。  ぞくぞくする・・・・・・・・・・・・・

「こ、こういうコトしてる、 時は」

泳いでいた視線が ひた、 とオレに固定された。 涙目なくせに。

「と、投手じゃない、じゃないか」



こういう瞬間。

別の意味で ぞくりと、してしまう。

始末の悪いことにオレは。
こいつのこういうところも、すげー好きなんだよな・・・・・・・・・・・・

思いながら無意識に笑っちまう。
オレが笑ったのを見て、三橋は不思議そうな顔をしている。



仕方ない。  今日は諦めてやるけど。

そのうち絶対にさせてもらうからな。

きっちりと正攻法でな。

その日を、   覚悟しとけよ。


三橋。









                                        了 (NEXT

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                                             今までで最も質問の多かった小話(^^;)。