口実と真実







「オレが困るんだよ!」

言うと三橋は びくっと揺れてから大人しく頷いた。
勉強をみてやると言ったら遠慮したから、こういう成り行きになった。

「オレが困るんだ」  と言えば三橋は頷く。

でも本当は。

体調を気遣ったりするのも なんだかんだ世話を焼くのも
オレが困るからなんかじゃなくて。

おまえに優しくしてやりたいからなんだ。

困るから   というのは口実で。

三橋は多分全然わかってないだろうけど。

でも別にいいんだ。

オレは口実を振りかざして三橋にあれこれしてやるのがすっげー楽しいから。

それだけでもういいんだ・・・・・・・・・・・・・








○○○○○○○

今日も阿部くんに怒られた・・・・・・・・・・

オレがちゃんとしないと阿部くんが困る、 から
頑張ろう、  と思う。

阿部くんはよく  「オレが困るから」  と言っていろいろと世話を焼いてくれる。

でも。

本当は知ってるんだ・・・・・・・・・・・・

困るからというのは口実で、阿部くんはオレのことを心配してくれてるんだ。

阿部くんは短気ですぐ怒るけど。

本当はすごく優しい。

てことをオレはよく知ってる・・・・・・・・・・・・。

そんなこと言ったらまた怒られそうだから、言わないけど。


阿部くんはオレに、   泣きたくなるくらい、



優しい。









                                        了 (NEXT

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                                             三橋はある意味頭いいと私は思ってます。