散る花びらと






はらはらはらと、花びらが散る。


はらはらはら。


「桜って散り際もキレイだなー・・・・・」

水谷がなかなか風情のある発言をした。

さっきまで花よりだんごでおにぎりやお菓子を食うので忙しかった面々も
ひととおり食べ尽くしたところで、ようやく本来の目的を思い出したりして。


はらはらはら。


花びらはみんなの頭の上に舞い落ちる。

三橋の髪にも舞い落ちる。

そして ぼーっとそれに見とれる男がひとり。

「アタマ、花盛り、だな。 三橋。」
「うぇ?」
「・・・・取ってやるからじっとしてな。」
「・・・う・・・ん・・・・」

さらさらさら。

あぁ三橋の猫っ毛・・・・気持ちイイなー・・・・・・・・・・

さらさらさら。

「あの・・・阿部、くん・・・・・・・?」
「なに?」
「ま・・・まだ、取れない・・・・・・?」
「うん。 まだまだ。」

((((((阿部・・・・・・・・・)))))

もうとっくに全部取れてんじゃん!!

とか、

おまえのアタマこそ花盛りだよ!! いろんな意味でな!!!



・・・・・とはもはや誰も言わない、うららかな春の午後のひととき。









                                       了(NEXT

                                        SSTOPへ






                                             頼むから誰か突っ込め。