甘いのは





阿部くんから いい、匂いがする・・・・・・・
甘い、メロン、の 匂い・・・・・・
口が動いてる・・・・・・・・・・

「アメ、舐めてる・・・・・?」
「ん? あぁ、うん。」

・・・・・・・いいなぁ・・・・・・・・

ぐうぅ。

「・・・・・今、すげぇ音したな。」

オ、オレの、腹の音・・・だ・・・・・。 は、恥ずかしい・・・・・・・

「おまえ、ハラ減ってんの?」
「・・・・・・うん」
「朝メシは? 食ったんだろ?」
「寝坊して・・・・・少し、しか・・・・・」
「はーん。」

ぐぅ。

「アメ、やろうか?」
「も、持ってる?」
「舐めたい?」
「舐め、る!!」

思わず弾んで言ったオレに、阿部くんの顔が、すーっと近づいた。

・・・・・・え・・・・・・??

慌てる間もなく口付けられてて。
何かが口に入ってきた。
甘い甘い、メロン味の。

「美味い?」

離れた阿部くんは何事もなかったかのように にっこりと 笑った。

顔が かーーっ と熱くなるのが、わかった。

「それ1個っきゃなかったから」 と阿部くんは しらっと言ってから
「甘い?」  とまた聞いた。

「あ、甘い・・・・です。」

ふふっ  て感じで阿部くんが笑った。

「アメが?」

・・・・・キスが。 

と思ったけど、もちろんそんなことは、言えなかった。









                                      了(NEXT

                                      SSTOPへ







                                                 甘いのは壁紙かと。