やめてほしいこと





阿部くんとちゃんと付き合い始めてしばらくしてから、
オレは意外なことに気が付いた。

阿部くんは、

結構嫉妬深い、ということだ。







○○○○○○○

「今日さ」
「・・・・・・・ん。」
「休み時間にずーっと廊下で話してた子、誰」
「・・・お・・・同じ・・・・クラス、の・・・・・・」
「親しいの?」
「・・・別・・・に・・・・・、あ!・・・・・」
「じゃあさ」
「・・・・・・う・・・」
「昨日の朝さ、」
「・・・・・・・・・・・。」

オレはもうまともに返事できない。
だって無理だ。
阿部くんはオレのすぐ後ろにいて。

というか。

阿部くんが座っている上にオレは座らされてて。

阿部くんの体、 の一部、は、 今オレの中に、ある・・・・・・・・・。

オレが話さなくなった (というか話せなくなった) ら
阿部くんは後ろから首筋を吸ってきた。

「ん
!」

今の・・・・あ、痕ついたような・・・・・・・気が・・・・・・・。

ちょっと焦ってたら手がするりと前に回ってきて胸の先っぽを。

「は、   ぁ」

勝手に声が出て恥ずかしいから自分の手で自分の口をぎゅっと塞ぐ。

そしたらそれも外されちゃった。
阿部くんはオレが声を我慢するのを嫌がる。
それから顔を隠そうとするのも嫌がる。
いつだったかそれでもしつこく腕で隠してたら、手を縛られちゃって散々な目に合ったことがある。
今も。
片手でオレの両手首を拘束しているからオレはどうすることもできない・・・・・・・。
おまけに。

阿部くんはさっきから全然動いてくれない。
なのに空いているほうの手であちこち触ってきてどんどんオレを追い詰める。
けど中心には触ってくれなくて。
いきたいのにいけなくて苦しい・・・・・・・・・

恥ずかしくて気持ち良くて、でももどかしくてどうかなりそう。

お願いだからもう動いて。
それかちゃんと触って、達かせて・・・・・・・・


「あ・・あべ・・・くん・・・・・・・」
「ん? 何?」
「・・・・う・・・・・・」
「はっきり言わなきゃわかんないぜ。」
「・・・・・・・・・・。」

わかっている、くせに。
意地悪だ。
阿部くんはたまにこういうふうになる。
オレが恥ずかしくて言えないのを知ってて。

・・・・・・・わざと言わせたがるんだ・・・・・・・・


「・・・・自分で動いてもいいんだぜ。 できるだろ?」
「・・・!!!」


そんなの。 できるわけない。 知っている、くせに・・・・・・・。

それなのに手のほうはますます容赦なく煽ってくる。
肝心なとこ以外ばかりしつこく弄って。

「ふ・・・・・・ぁ・・・・」

我慢できなくて涙が出てくる。 悲しいとかつらいとかとは別の、涙。
気持ち良すぎても涙が出るなんて、前は知らなかった。
どんどん溢れて零れるのを拭うこともできずに耐えていたけど。

もう、 限界・・・・・・・・

死ぬほど恥ずかしいけどやっと言った。 

「・・・もう・・い・・・いかせて・・・・・・」

息が上がっててしゃべりにくい・・・・・・
後ろで阿部くんが ふっと笑った気配がした。

「ちゃんとして欲しい?」
「・・・ん・・・・・。」

早くして・・・・・・・・

「いいぜ、でもその前に。」

・・・・・え・・・・・・・

「昨日の朝おまえと話してた女の子さ、」



・・・・・・・阿部・・・くん・・・・・・

妬いてくれるのって・・・実はちょっと嬉しかったりもする・・・・んだけど。

こういうふうにして責めるのは、

・・・・勘弁してほしい、よ・・・・・・・・・











                                              やめてほしいこと 了

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                                 ハートの飛び散る壁紙にしたろかと思ったけどあまりの恥ずかしさに挫折。