オマケ





ぐったりした三橋をようやく離してやってからオレは思い出した。

ここに来た本来の目的を。

時計を見たら1時間近く経っていた。   でもまだ時間はある。
急いで服を整えながら三橋に声をかけた。

「じゃあ、やるか」
「・・・・・・・ふぇ?」
「勉強」
「・・・・・・・・ぇ・・・・・・」

かろうじて返事はするものの三橋は動こうとしない。
少し心配になった。

「・・・・・・・大丈夫か?」
「・・・・・・・い」
「は?」
「・・・・・ねむ  い」
「えっ」

顔を見るともう今にも寝そう。   というよりすでに半分寝ているような。
オレは焦った。

「寝るなよ三橋!」
「・・・・・・・・・せなか  も   いた い」

あ、   と思った。
だってベッドに上がる余裕なかった。
と言い訳するのもムナしい。
三橋はそれだけ言うと (これは文句だろうかやっぱり) 
早くも すぅすぅと寝息を立て始めたからだ。
あっちこっち丸出しのまま。

とりあえず体を拭いて乱れまくった服を直してやった。
そうしているうちに起きるんじゃないかという僅かな期待を持って。

でも三橋は起きなかった。
叩き起こしたいのはやまやまだけど、自分のせいだ、という後ろめたさがあるからできない。



しまった。 

三橋に勉強をサボる恰好の口実を与えてしまった。



呆然と寝顔を見つめながら。

気付いたけど、 時すでに遅し。










                                                 オマケ 了

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                                                       加減しなされ