「・・・・・・・という夢だった」
「なんだそれ」

阿部くんが笑った。
ほんとに変な夢だった。 
懐かしい人がたくさん出てきたから、楽しい夢でもあったけど。

寝言もいっぱい言ってたらしい。
目が覚めるなり 「どんな夢見てた?」 と聞かれたくらいだから
余程だったんだろう。

「夢で神様にお願いしたら、別人のようになっちまって
そんでオレがやきもち焼いた勢いでみんなの前でコクった、と」
「う、ごめん・・・・・・」
「何で謝んの」
「だって何だか 図々しい・・・・・・」
「いや、当たってるよその夢」
「へ?」

オレはきょとんとした。
阿部くんは、あんなふうにみんなのいるところでコクハクなんかしなかった。

「今はもうおまえのしゃべり方だって、すげー好きだし」

そっちか、と納得しながら かーっと頬が熱くなる。
阿部くんはたまにこういうことを平然と言う。
長い付き合いだけど、未だにオレはドキドキする。

「それにオレ、高校の頃からその話し方のが良かった」
「そう なのか」
「そのほうが横から盗られないだろって思惑もあったしなあ」
「へ・・・・・・・・・」

だからそういうことを平然と。

「だからその夢、当たってるよ」
「う、そっか」
「過去のオレの願望ってやつじゃね?」
「え、でも・・・・・・・オレの願望、の夢だったのに?」

何だかおかしくなって、オレも笑っちゃう。
こんなふうに他愛ない会話ができる幸福を噛み締めながら。
何年いっしょに暮らしても、幸せだなあって思う。

でも平日なのにカーテン越しの日差しを浴びながらベッドでのんびりできるのは、
今日がちょっと特別で、2人とも休みだからだ。
阿部くんに厳命されて、今日は予定を入れてない。 だって今日は。

「誕生日おめでとう、三橋」

にっこりと笑ってくれた阿部くんに
ありがとうと返そうとしたけど、言えなかった。
それはもちろんオレの口下手のせいじゃなくて、阿部くんのせいだった。











                                ドリーム*ドリーム 了

                                   SSTOPへ





                                                    なにこのオチ。




                                                                     
ラストはこっそりとメイン長編の2人のつもりでした。
                                                                     それなら置き場所が違うってのは、そこはそれ ごにょ。
                                                                     幸せそうでなにより、と自己満足に浸りつつ    おめでとう三橋くん!